HACCP(ハサップ)とは食品の衛生管理の方式の一つです。HazardAnalysisandCriticalControlPointの頭文字からとったもので、危害要因分析重要管理点と訳されます。HACCPは食品中及び食品の製造工程で危害を起こしうる要因(ハザード)を分析し、その上で危害の防止につながる特に重要な工程(重要管理点:CCP)を継続的に監視、記録をする管理システムです。ハザードは物理的、化学的、生物的要因の大きく三つに分けることができ、それぞれの例としては毛髪や金属等の異物混入、農薬の残留やアレルギー物質の混入、細菌やウイルスによる汚染、等が挙げられます。
これらのハザードを最も効率良く、確実に管理できる工程を設定し、その工程を連続的にモニタリングし、記録を残すことが求められます。この重要管理点を定めることがシステムの特徴の一つであり、加熱温度や時間、金属の探知等は多く取り組まれている重要管理店の一例です。HACCPは国際的な衛生管理のアプローチ方法で、以前から輸出食品についてはHACCPの実践が求められることも多くありましたが、2020年6月の食品衛生法の改正により、原則全ての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理の実施が義務化されました。煩雑に思われがちですが、導入することで非常にシステマティックな安全管理が可能となり、また高レベルな食の安全を証明することができる食の衛生管理方式です。