HACCPとは食品の衛生管理に関する方法のことを指します。原材料受け入れから出荷までの各工程における危険要因(消費者がその食品を食べようとしたときに、害を与える可能性があるもの)を分析し、それを除去するために、製造過程でも特に重要な工程を監視し、記録する方法です。食品製造過程で特に重要な加熱と包装の過程は定点観測されます。加熱時間は適切か、包装の過程で異物が混入していないかどうかを確認・記録します。
このシステムに基づいて製造された食品はパッケージに認証マークが付けられます。なおHACCPは従来の一般的衛生管理に基づいて行われるものです。つまり、一般的衛生管理を遵守していればHACCPの条件に適うというのではなく、一般衛生管理を遵守したうえでさらに高度な食品衛生管理を行うということです。従来の食品衛生管理の方法のみだと包装した後の出荷後に抜き打ちで不備がないかを検査していたのですが、これだと食品製造の過程において加熱時間が適切かどうか、異物が混入していないかどうかを見極めるのは困難です。
HACCPの方法であれば加熱時間が足りない場合もすぐに対応ができるため、商品の影響も少なく済み、ロスを減らすことにもつながりますし、品質のばらつきもなくなります。HACCPは国際的な衛生管理の基準にもなっております。かつて日本の鰹節はEUの食品衛生管理基準に満たさないものとして輸出ができなかったのですが、基準を満たすようになってから輸出ができるようになりました。