製造現場や製品を保管・運搬を行う際に、温度管理を必要とするケースは少なくありません。温度計センサーは温度管理を行う際に一番重要な部品で、使用環境や用途を考慮して適切に選ぶ必要があります。誤って使用環境に適さない温度計センサーを選択してしまうと、測定値に系統誤差が生じたり寿命が短くなるといった問題が生じる恐れがあるからです。温度計センサーを選ぶ場合には、中心温度と測定範囲の2点に注目することが大切です。
温度の情報を電気信号に変換するための素子には多くの種類がありますが、測定条件に合ったものを選ぶ必要があります。一般的に中心温度付近では誤差が小さくなり、逆に測定範囲の下限または上限付近になると誤差が大きくなるからです。温度計センサーを選択する場合は、実際に温度を測定する環境と使用可能な範囲を考慮することも大切です。カタログ上は使用可能な範囲内に収まっていたとしても、限界に近い環境で使用を続けると素子の劣化が進みやすくなるので寿命が短くなってしまう恐れがあるからです。
素子が劣化すると少しずつ誤差が生じるようになるので、温度管理を行う上で問題が生じるでしょう。温度計センサーを選択する場合は応答性や精度に注目しがちですが、測定誤差や寿命を考慮して中心温度や測定範囲を確認するようにしましょう。長期間にわたり使用し続けると素子が少しずつ劣化して誤差が生じるようになるので、定期的に校正作業を行うことも大切です。